私の中でお菓子作りは自己表現の1つだと思っています。

自分の世界に入って集中し、この温度、この硬さ、この触感　と知識と感覚を使ってその最高の一瞬を見極める。

同じレシピでも作る人によって美味しくなったり不味くなったりする、そんな不安定な自分の感覚を使うようなところに魅力や楽しさを感じる。

しかし、お菓子作りはめんどくさいことの連続です。

材料の計量や、作り方1つとっても手順を間違える、タイミングを間違える、温度を間違えると、美味しくならないどころか形にすらならないものがほとんどです。

その1つ1つに意味があって省略はできないのです。

とてつもなくめんどくさいことの連続の先に美味しさがある。そんな沢山の工程を経て1つの形になったものがとても美しいと思える。

そして自己満足のようなその細かいこだわりが誰かに伝わってくれないかな、なんて思いながら作っているお菓子は私にとって自己表現なのだと。